C WORK

2019.02.19

なぜ外資系金融を辞めて、NPOを立ち上げたか

 

イギリスの証券系金融機関に勤めていたころ、世界は今どのような状況にあるのかをまざまざと見せつけられた気がした。

 

日本人は日本が大好きで、日本に関連した情報ばかりを集めたがる傾向にあるように考える。もちろん私もその一人で、英語の勉強にと海外のニュースを見ても日本に関連のある物ばかり読んできた。

 

しかし少しずつ英語が分かるようになってくると、社内報で流れる関連のない情報も次第と分かるようになってきた。

 

そこで感じたことは、働き方ひとつとってみても日本と海外の人では考え方が違うことだ。もちろん例えばAという国とその他の国では考え方が違うのは当然のことでもあり、日本にも他の国には負けない素晴らしいところが沢山あるのも事実だ。しかしながら大枠で違うなと感じた点が、どのように家族と幸せに生きるか?そのために今どんな仕事をするかを考えている人が比較的に多いように感じる。

 

もちろん最近の日本人にも、仕事は家族と幸せに生きるための手段ととらえている若者も年配者も増えてきたし、片やスティーブ・ジョブズは死ぬ間際に家族ともっと過ごさなかったことを後悔する言葉を発したことからも海外の働き方が全て進んでいるわけでもない。

 

しかしながら私自身、大きな衝撃を受けたのは事実だ。

 

私はとても恵まれた環境下で仕事ができた。尊敬する上司や同僚の元、自身のスキルアップも短期間で習得することができ、それを適切に評価いただき、とある事例では13万人いる社員の中で最もよく把握している人だとも褒められたりもした。障がい者求人で入社した内容とは思えない責任のある仕事も任された。

 

このように恵まれた環境にいながらも、なぜ退社してNPO法人シェイクハートプロジェクトを立ち上げたかというと、それ以前の職場で、頭脳明晰な沢山の障害のある当事者が、在宅で生活せざるを得ない、働きたくても働き口がなく、活躍できる土壌や機会すらない人達を見たことを思い起こした。

 

世界の金融機関は大規模なリストラが進んでいる。表面的な景気としてはさほど悪くない状況にあるにも関わらずだ。私は業務が効率化されシステムが内政化し、かつ強化されていく環境を見てきた。確かに巨大サプライヤーの台頭もあるが、今後AIなどの開発が進むにつれて人が必要ない環境も増えていくだろう。意思決定のできる人がいれば、システムやAIとの共存で会社はまわってしまうかもしれない。

 

しかし仕事が無くなるというわけでなく、AIの進歩は加速度的であってもまだ人がなさなければならない部分の方が圧倒的に多いのが現実でもある。ホリエモンの言う通り、新たな仕事もこれから生まれていくものだろう。

 

パソコンの普及や技術の進歩によって、障がい者は働けるようになってきた。最も技術と共に生きているのは障がい者であるといっても過言ではないと考える。

 

このような環境を見据えた時、より多くの働きにくさを抱えた人こそが、一歩進んだ生き方を体現していく、現に寝たきり社長の佐藤仙務さんを始めとした先駆的な働き方をする障害当事者も増えてきた。その先に全ての人が一つ選択肢を増やした働き方や生き方ができることができるかもしれない。そう考えた末、今の決断を選んだ。

 

それがパラレルワークという挑戦的な働き方を選んだ所以でもある。これから描く社会は開かれている。そんな想いの元、私は今を生きている。それができている現状はとても幸せで、困難や辛さは多くとも生きがいを持って、周りに感謝しながら前へ進んでいきたい。

 

STAFF白井